校正
出荷時校正
校正曲線のゼロ点とスロープはプリセットされています。定期検査時以
外にこれらの基本設定を遡って校正する必要は一般的にはありません。
不純物や障害を検出するために、ゼロ点の確認を定期的に行ってくださ
い
(95
ページのゼロ点の確認を参照 )。
測定媒質の組成や設置状況に起因してゼロ点がゼロ測定値と一致しない
場合は、その影響をオフセットで補正できます。サンプルをラボ分析
し、測定媒質に PAH/ 油分による汚染がないことを確認した上で、装置
に表示された測定値をオフセットとして入力します
点 ([OFFSET ( オフセット )])
プロセスの校正 / 調整
センサは、超純水に溶かしたさまざまな濃度の特別な校正標準液を使用
して、あらかじめ校正されています。このような理想的な測定条件は、
現実にはまれです。現地での測定条件に対する調整を実施していない場
合、表示される測定値は定性的なトレンドを示すに留まります。
定量的に正しい測定値が必要な場合は、コントラスト調整または複数点
校正を実施する必要があります。どちらの操作も、ラボ分析データを使
用して現地で行う必要があります。定量的な測定の土台となる前提は、
存在する油分の種類と測定条件 ( 熱交換器内の冷水など ) が一定であ
り、それらに対する正確な知見があることです。複数の油分が存在し、
それらの存在比が変化する場合、定量的な測定は一般的に不可能です。
測定条件が変更される場合は、ラボ分析を通じて結果の精度を再確認
し、必要に応じて調整を行う必要があります。
日本語
94
(95 ページのゼロ
の調整を参照 )。
測定条件は次の事項によって変わります。
•
PAH まはた油による不純物の組成
•
不純物の水中での分布
•
温度
•
測定媒質の組成
•
測定センサと測定窓
係数の決定とスロープの調整
スロープを調整するには、次の手順に従います。
1。 センサの設置場所で測定媒質の実験室サンプルを採取し、すみや
かにそのサンプルの PAH および油分を分析します。
2。 サンプル採取時に変換器に表示された測定値を記録しておきます。
測定値として正しい単位 (ppm oil など ) が表示されていること
を確認します。
3。 手順 1 と 2 を数回繰り返します。
4。 サンプル値およびサンプル採取時に変換器に表示された値を使用
して、係数を計算します。
5。 係数の平均値を算出します。
6。 この係数をスロープとして入力します
([FACTOR ( 係数 )])
の調節を参照 )。
エンジン・オイルの例
ラボ測定値 : 4.0ppm oil
1
表示された測定値
:
2.4ppm oil
算出される係数 : 1.67
1 採取時
次の条件に該当する場合は、スロープ調整で校正することをお勧めしま
す。
•
測定サンプルに PAH/ 油分が含有されてなく、測定値が常にゼロで
なければならない場合。
•
実験室値を基に計算した係数から現実的な平均値が求められる必
要がある場合。
これらの条件に該当しない場合は、複数点校正を実施します。
(95 ページのスロープ
ナフタレンの例
ラボ測定値 : 420ppb PAH
1
表示された測定値
:
120ppb PAH
算出される係数 : 3.5