本機の構造と振動系について
発電のしくみ
針先がレコードの音溝をトレースすると、針先に生じる振動が
カンチレバーを経て、カンチレバーの根元に固定されているコ
イルに伝わります。発電のためのコイルは十字形の鉄心に巻き
付けています。カートリッジ内部の平行磁界中の環境に配置
された十字形の鉄心と一体化しているコイルが振動することに
よって発電するしくみです。
ポール
十字形鉄心
支点(振動の中心)
カンチレバー
針先
ムービングコイル
マグネット
N
S
ポール
磁力線
振動系について
カンチレバーにはレコードの音溝の壁を正確にトレースするた
めに微細に動作できる性能が要求されます。 本機のカンチレバー
の支持構造やカンチレバー自体の構造には、 DL-103 の振動系設
計思想を受け継ぎ、高いトレース性能を確保しております。
マグネット
ダンパー
十字形鉄心
コイル
N
ポール
針先
ポール
ダンパー
高いトレース性能を得るために本機のカンチレバーの後端部に
は、高い耐久性と柔軟性を兼ね備える、細いピアノ線を使ってカ
ンチレバーを支持する構造を採用しています。
また、カンチレバーには二重構造を採用。DL-103 で最初にカン
チレバーの二重構造を採用し強度の確保はもちろん、高域特性に
最も影響のある針先からみた等価質量を極力小さくすることで、
高いトレース能力を確保しています。
振動系の質量を大きく左右するカンチレバーを細くすれば軽くな
りますが、強度が低下したり、分割振動するため好ましくありま
せん。振動系の針先からみた等価質量の分布状態は針先に近づく
ほど大きくなるので、同じ厚さの材料なら、針先に近づくにつれ
て細くすれば好結果が得られます。円錐形カンチレバーは形状と
しては最も好ましいのですが、二重構造にすることによって同様
の結果が得られるばかりでなく、材質的に二種類の組み合わせが
可能なのでその材料の構成により最適な特性のものにすることが
できます。DL-A100 のカンチレバーは特殊軽合金を使用し、最
も効果的な形状寸法の組み合わせを行っています。
サスペンション
S
十字形鉄心
ピアノ線
ダンパー
カンチレバー
ポール
日本語
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