ND 522, ND 523
クイックリファレンスガイド:機能
リファレンスマーク評価
ND 522/523 のリファレンスマーク評価機能によって、
軸スライド位置と、原点設定時に定義した表示値と
の関係が自動的に再構築されます。
軸エンコーダにリファレンスマークがある場合、REF
表示が点滅します。 リファレンスマークが交差した
後、表示の点滅が止まり、点滅しない REF に変わり
ます。
リファレンスマークの評価を行わない作業
リファレンスマークを交差させずに、ND 522/523 を
使用することもできます。その場合は、NO REF ソフ
トキーを押して、リファレンスマーク評価機能を終
了し、次に進みます。
停電後に再構築可能な原点を定義する必要が生じた
場合は、後からリファレンスマークを交差すること
もできます。その場合は、ENABLE REF ソフトキーを
押して、リファレンスマークの評価機能をアクティ
ブにします。
エンコーダがリファレンスマークなしで設
定されている場合、REF 表示は表示されま
せん。また、電源を切ると原点は失われま
す。
ENABLE/DISABLE REF 機能
オペレーターはリファレンスマーク評価機能の実行
中に表示される ENABLE/DISABLE ソフトキーを切り替
えることで、エンコーダ上の特定のリファレンス
マークを選択することができます。この機能は、固
定のリファレンスマークがあるエンコーダで使用す
るときに重要です。DISABLE REF ソフトキーを押す
と、評価機能は一時停止し、エンコーダの動作中に
交差したリファレンスマークはすべて無視されます。
ENABLE REF ソフトキーを押すと、評価機能が再びア
クティブになり、次に交差するリファレンスマーク
が選択されます。
目的のすべての軸のリファレンスマークを設定した
ら、NO REF ソフトキーを押して機能をキャンセルし
ます。 すべてのエンコーダのリファレンスマークを
交差する必要はありません。必要なもののみを交差
してください。すべてのリファレンスマークが検出
されると、 自動的に DRO 表示スクリーンに戻ります。
リファレンスマークを交差しない場合、原
点は保存されません。つまり、停電(電源
を切った)後に、軸スライドの位置と表示
値との関係を再構築することはできません。
ヘルプスクリーン
内蔵された取扱い説明書が、いかなる状況のもとで
も情報とサポートを提供します。 取扱い説明書を呼
び出すには:
HELP ソフトキーを押します。
現在の操作に関連する情報が表示されます。
説明が複数ページにわたる場合は、上/下矢印
キーを使用してスクロールします。
別のトピックの情報を表示するには:
list of topics ソフトキーを押します。
上/下矢印キーを押して、目次をスクロールしま
す。
ENTER キーを押して、項目を選択します。
取扱説明書を閉じるには:
C キーを押します。
HELP モードのトピックのリスト
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原点
ワークピースの図面では、ワークピースの特定の点
(通常はコーナー)を絶対原点、それ以外の 1 つまた
は複数の点を相対原点とします。
原点を設定すると、それらの点は絶対的または相対
的な座標システムの基点になります。機械の軸に
沿って配置されているワークピースは、工具と相対
的な特定の位置に移動されます。また、表示はゼロ
またはその他の適切な値に設定されます(工具の半
径を補正する場合など) 。
原点ハードキー
原点を設定する最も簡単な方法は、工具のエッジで
ワークピースにプロービングするときに ND 522/523
のプロービング機能を使用することです。
もちろん、原点設定を従来の方法によって、工具で
ワークピースのエッジを次々に接触し、その都度工
具位置を手動で原点として入力することもできます。
原点の表には、最大 10 の原点を保存できます。ほと
んどの場合はこの表を使用することによって、複数
の原点を含む複雑なワークピース図面で作業してい
るときに、軸の走行を計算する手間を省くことがで
きます。
工具ハードキー
このハードキーを押すと工具表が表示されます。ま
た、このハードキーから TOOL フォームにアクセスし
て、工具のパラメータを入力することができます。
ND 522/523 では、工具表に最大 16 の工具を保存でき
ます。
ミリングの工具表
グラフィック位置決め補助
インクリメンタルモードで表示値がゼロになるまで
走行している場合、ND 522/523 にはグラフィック位
置決め補助が表示されます。
ND 522/523 では、グラフィック位置決め補助は現在
アクティブな軸の下の細い長方形内に表示されます。
長方形の中心にある 2 つの三角形のマークが、到達
目標となる公称位置を表します。
小さい正方形は、軸スライドを表しています。 軸が
動いている間は、方向を指し示す矢印が正方形内に
表示されます。 軸スライドが公称位置に近づくまで、
正方形は動き出さないことに注意してください。
オペレーティングモード
ND 522/523 には、行程距離(インクリメンタル)
モードと現在地(絶対)モードの 2 つのオペレー
ティングモードがあります。行程距離機能(この取
扱説明書ではインクリメンタルとも呼ばれる)を使
用すると、表示値がゼロになるまで走行するだけで
公称位置に到達することができます。インクリメン
タルモードで作業する場合は、公称座標をインクリ
メンタルまたは絶対的な寸法として入力することが
できます。現在値機能(この取扱説明書では絶対と
も呼ばれる)では、その時点での工具の現在位置が、
アクティブな原点を基準として常に表示されます。
このモードでは、指定された公称位置に表示が一致
するまで走行することによって、すべての動作が実
行されます。
絶対モードで、ND 522/523 がミリングアプリケー
ション用に設定されている場合は、工具の長さのオ
フセットのみがアクティブになります。 行程距離
モードでは半径と長さのオフセットの両方が使用さ
れ、切削する工具のエッジを基準として目的の公称
位置に到達するために必要な行程距離が計算されま
す。ND 522/523 が旋盤用に設定されている場合は、
工具のすべてのオフセットがインクリメンタルモー
ドと絶対モードの両方で使用されます。
これらの 2 つのモードを切り替えるには、インクリ
メンタル/絶対ハードキーを押します。
旋削アプリケーションを使用すると、3 軸システム
で簡単に Z 軸の位置をカップリングできます。
公称位置 S、現在位置 I、および行程距離 R
円パターンおよび線形パターン(ミリング)
円パターンまたは線形パターンハードキーを押して、
目的の穴パターン機能を選択し、必要なデータを入
力します。このデータは通常、ワークピースの図面
から取得されます(例:穴の深さや穴の数) 。 ND
522/523 は穴パターンを使用してすべての穴の位置
を計算し、スクリーン上にパターンをグラフィック
表示します。グラフィック表示することにより、加
工を開始する前に穴パターンを検証することができ
ます。 この機能は、穴を直接選択する場合や穴を
別々に実行する場合、さらに穴をスキップする場合
にも便利です。
RX(半径/直径)ソフトキー
旋盤部品の図面には通常、直径の値が表示されてい
ます。ND 522/523 では、半径と直径のいずれかの値
を表示できます。 直径が表示される場合は、直径記
号(¨)が位置値の横に表示されます。
例:
半径表示、位置 1 X = 20 mm
直径表示の位置 1 X = ¨ 40 mm
RX ソフトキーを押して、直径表示と半径表示を切り
替えます。