GrandMeister 36 – Manual 1.4
8 MIDI Out/Thru端子 :
この端子は、 MIDI In端子に入力された信号を他の機器に送る端子です。 こ
こに別のMIDI機器を接続すれば、 GrandMeister 36と同時にプログラムの
切り替えができます。
7 チューブ ・ セーフティ ・ コントロール (TSC)
TSCはバイアスを調整し、 アンプのトーンや性能を安定させ、 チューブの寿命
を延ばす機能です。 この機能は自動的に常時作動するので、 特に何もすること
なく利用できます。 真空管の交換も簡単に手早く、 安全に行うことができます。
難しいバイアス調整も自動的に行われるので、 チューブ交換も手早く簡単な作
業になります。 この機能は、 故障の時ばかりでなく、 異なるブランドの交換用チ
ューブを比較する時にも非常に便利です。
警告 : 真空管の交換は、 資格を持った専門家の仕事です! TSCはあくまで
も、 専門家のバイアス調整の時間を節約するための機能です。
TSCの情報をフルに活用するには、 リア ・ パネルのTSCセクションにある4
個のLEDを確認する必要があります。 それぞれのLEDは、 同じ位置にあるチュ
ーブに対応しています。 これらのLEDが表示する情報には2種類あり、 まずはチ
ューブの動作状況 (7.1項参照) を表示します。 TSCは常に誤動作がないか監
視し、 必要とあれば、 アンプ全体の故障を回避するために、 故障したチューブの
動作を停止します。 もうひとつは、 個々のチューブのバイアス ・ ポイントの表示
で、 ギター用のピックを使えば、 その値を簡単に読み取ることができます (7.2
項参照) 。
7.1 作動状態の自動表示
全てのLEDが点灯している
アンプがスタンバイ ・ モードになっている間は、 全てのLEDが点灯し続けま
す。 STANDBYスイッチをPLAY側に切り替えて数秒経つと、 LEDは消えま
す。 LEDが点灯したままになっていれば、 ア ノード ・ ヒューズが切れている可能
性があり、 専門家による交換が必要です。 アンプの電源を入れた段階ですでに
チューブが故障していると、 ア ノード ・ ヒューズが切れることがあります。 この場
合、 TSCはアイドル電流を測定する時間がないので、 故障したチューブの動作
を停止します。 LEDが1個も点灯していないパワー ・ チューブは正常に動作して
います。
1個のLED が点灯している
点灯しているLEDに対応した真空管が必要な電流を発生しておらず、 動作が
停止しています。 数分経ってもLEDが消えない場合は、 このチューブを交換しな
ければなりません。
2個のLED が点灯している
この場合、 2つの状況が考えられます。 これらのLEDに対応したチューブが必
要な電流を発生しておらず、 交換の必要があるか ("1個のLEDが点灯している"
の項参照) 、 あるいはPOWER SOAKがオンになっています。 後者の場合、 2本
のチューブは自動的にオフになっており、 点灯した2つのLEDがその状態を示し
ています (6.2項参照) 。
1個のLEDが点滅し、 他の1個が点灯している
点滅しているLEDに対応したチューブに過電流が発生しています。 このチュ
ーブは動作を停止しており、 交換の必要があります。 このタイプのパワー ・ アン
プで最良のサウンドを得るためには、 チューブがペアで動作する必要がありま
す。 そのため、 故障したチューブとペアになるチューブの動作を停止して (この状
態はLEDの点灯によって表示されます) 、 もうひとつのペアのトーンに悪影響を
及ぼさないようにしています。 点灯したLEDに対応するチューブは交換の必要
がありません。
賢いTSCがライブの助っ人としての威力を発揮するのは、 このような状況
です。 従来のアンプで同様のチューブ故障が起きると、 通常はヒューズが切れ
て、 ヒューズとチューブを交換するまでアンプは使用できなくなります。 いっぽ
58
う、 TSCがあれば、 LEDが点灯している間は演奏を続けられます。 ただし、 1組
のパワー ・ チューブの動作が停止したために、 出力が36Wから18Wに低下する
ということは、 心得ておいてください。 ライブが終わったら、 故障したチューブの
交換をお忘れなく。
7.2 手動による表示の読み取り
TSCにチューブのバイアス ・ ポイントをチェックさせることで、 ペアになった
真空管の特性が合っているかどうかが確認できます。 この作業は、 アンプがオン
の時に (スタンバイ ・ モードではありません) 、 ギターのピックをLEDのすぐ横に
あるスロットに挿し込むだけで、 簡単に行えます。 ピックを挿すと全てのLEDが
点滅を始め、 それぞれに対応するチューブのHughes & Kettner社基準による
レーティングと、 バイアス値が読み取れます。 7.3項のチューブ ・ レーティング一
覧表に、 Hughes & Kettner社基準によるレーティングとLEDの点滅回数の
関係を示します。 たとえば、 TSCのLEDが6回点滅したとすると、 それに対応す
るチューブのレーティングはS2で、 バイアス点は13Vです。
個々のLEDの点滅回数の差が4回以内になっていることを確認してくださ
い。 この差が4回以内であれば、 TSCが理想的なサウンドを保障します。 差が4
回よりも大きい場合は、 トーンを改善するために、 チューブをペア ・ マッチングさ
れたものと交換することをお勧めします。 ただし、 これはあくまでもトーンを優
先させた場合の話です――技術的には、 アンプは安全に動作し続けます。
重要: チューブは内側の2本と外側の2本がそれぞれペアになっています。 チ
ューブを1本だけ交換する場合には、 交換用のチューブがペアになるチューブ
と同じレーティングのものであることを確認してください。 全てのチューブを
一度に交換する場合は、 全てのレーティングが同じであることを確認してくだ
さい。 交換用のチューブは、 お近くの楽器店でお求めいただけます。 チューブ
には、 Hughes & Kettnerのレーティング (S1-S7、 0-12) を表示した
ステッカーが貼られています。
7.3 チューブ ・ レーティング一覧表
点滅回数
レーティング
1
S7
2
S6
3
S5
4
S4
5
S3
6
S2
7
S1
8
0
9
1
10
2
11
3
12
4
13
5
14
6
15
7
16
8
17
9
18
10
19
11
20
12
21
*
22
*
23
*
24
*
25
*
バイアス値 (V
10
10.6
11.2
11.8
12.4
13
13.6
14.2
14.8
15.4
16
16.6
17.2
17.8
18.4
19
19.6
20.2
20.8
21.4
22
22.6
23.2
23.8
24.4