(JP)日本語
図に示された使用方法の中で、 ×印やドクロマークが付いていな
いものだけが認められています。 最新の取扱説明書はウェブサイト
(www.alteria.co.jp)で参照できますので、 定期的に確認して下さい。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2969-1717)にご相談
下さい。
アサップ B71
ロープ用モバイルフォールアレスター
オーケー トライアク トロック M33 TL
ダブルオートロッキングカラビナ
用途について
この製品は個人保護用具 (PPE) です。 この製品は、 ロープを使用し
たフォールアレストシステムを構成する用具の1つであり、 1人の
人の墜落を止めるようにデザインされています。
『アサップ』 は手で操作をしなくてもロープ上を上下両方向に移
動します。 下方へ急激に動く と、 器具がロープ上でロックします (下
降速度が速すぎる場合、 作業中にバランスを失った場合、 墜落し
た場合等) 。
『オーケー トライアクトロック』 は 『アサップ』 とハーネスをつなぐコ
ネクターとして特別にデザインされたカラビナです。
製品に表示された破断強度以上の荷重をかける使用や、 本来の用
途以外での使用は絶対に避けて下さい。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、 判断についてその責任を負うこ
ととします。
使用する前に必ず :
- 取扱説明書をよく読み、 理解して下さい
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けて下さい
- この製品の機能とその限界について理解して下さい
- 高所での活動に伴う危険について理解して下さい
これらの注意事項を無視または軽視すると、 重度の障害や死に
つながる場合があります。
責任
警告 : 使用前に適切なトレーニングが必要です。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、 あるいは
それらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用
して下さい。
ユーザーは各自の責任で適切な技術及び確保技術を習得する必
要があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、 傷害、 死
亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。
各自で責任がとれない場合や、 その立場にない場合はこの製品を
使用しないで下さい。
各部の名称
アサップ
(1) 本体 (2) アタッチメントホール (3) セーフティキャッチ (4) ア
ーム (5) ジャミングローラー (6) 保護カバー (7) キーパーコード取
り付けホール
オーケー トライアク トロック
(8) 本体 (9) ゲート (10) ロッキングスリーブ (11) ヒンジ
主な素材 : アルミニウム合金 (本体、アーム、カラビナ) 、 クロムメッ
キスチール (ジャミングローラー) 、 ステンレススチール (セーフティ
キャッチ) 、 ナイロン (保護カバー)
点検のポイント
毎回、 使用前に以下の確認作業を行って下さい :
- 『アサップ』 の点検 : 本体、アタッチメントホール、 保護カバー (亀
裂、 キズ、 変形、 磨耗、 腐食等) 、 そしてアームのばねの状態をチェッ
クして下さい。 セーフティキャッチが本体とこすれ合わないことを
確認して下さい。 ジャミングローラーを両方向に一回転させ、 スム
ーズに回ることを確認して下さい。 ジャミングローラーの歯が汚れ
ていないこと、 またすり減ってもいないことを確認して下さい。
警告 : 歯が1つでも欠けている場合は、 『 アサップ』 を使用しない
で下さい。 歯が汚れている場合の手入れ法については、 メンテ
ナンス、 クリーニングの項を参照下さい。
- 『オーケー トライアクトロック』 の点検 (本体、ゲート、 ヒンジ、ロッ
キングスリーブ) ゲートを開いて指を放し、正常に閉じてロックされ
ることを確認して下さい。 ゲート上部のキーロックスロッ トに泥や
小石等が詰まらないようにして下さい。
- ロープは製造元の取扱説明書に従って点検してください : 一度 『ア
サップ』 を使用して墜落を止めたロープは使用しないでください。 ま
たコア (芯) が傷んでいたり、外被に傷があったり、 ロープに有害な
化学製品との接触があったロープも使用しないでください。
最後に 『アサップ』 をロープにセッ トして作動点検をして下さい (
図2) 。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウェ
ブサイト(www.petzl.com/ppe)もしくはPETZL PPE CD-ROMを参
照下さい。
もしこの器具の状態に関する疑問があれば、 ( 株) アルテリア
(TEL : 04-2969-1717) にご相談下さい。
適合性
この器具が、 システムで使用されているその他の器具との使用に適
している (併用された時に個々の器具の機能が妨げられない) こと
を確認して下さい。
- 『アサップ』 を取り付けるロープ
EN 353-2 : モバイルフォールアレスター (取付用のロープ/ワイ
ヤーを含む) に関するヨーロッパ基準
『アサップ』 は、 EN353-2 2002基準の適合試験において、 EN1891タ
イプA基準に適合した以下のセミスタティックロープとの組み合わ
せで認証を受けました :
- ペツル 『パラレル 10.5 mm』 ( 縫製処理された末端、 ポリアミド製)
- ペツル 『アクシス 11 mm』 ( 縫製処理された末端、 ポリアミド製)
- べアール 『Antipodes 10.5 mm』 ( 縫製処理をされた末端、 ポリ
アミド製)
- べアール 『Antipodes/Industrie 11 mm』 ( 縫製処理をされた末
端、 ポリアミド製)
- エーデルワイス 『Rescue 13 mm』 ( 縫製処理をされた末端、 ポリ
アミド製)
その他のロープでの適合試験も進めています。 ウェブサイト (www.
petzl.com/ASAP) を参照して下さい。
レイドロープ及び縒りロープは使用しないで下さい。
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B71 ASAP
B715000F (271108)
EN 12841 2006 : 墜落からの保護を目的とした個人保護用具
ロープアクセスシステム ロープアジャストメントデバイス
- Type A = ロープアジャストメントデバイス (個人保護用具)
EN 12841 : 2006 タイプ A の要求事項を満たすためには、 EN 1891
タイプ A に適合した直径 10~13 mm のセミスタティックロープ (
コア + シース) を使用する必要があります。 (認証テストではベア
ール 『Antipodes 10 mm』 、 エーデルワイス 『Rescue 13 mm』 が使
用されました)
- コネクター、エネルギーアブソーバー付ランヤード :
『アサップ』 は必ず :
- 『オーケー トライアクトロック』 を使用して、 ハーネスやエネルギー
アブソーバー付ランヤードに取り付けて下さい
- 以下のエネルギーアブソーバー付ランヤードのみを使用してくだ
さい : 『アサップソーバー』 ( L71) アブソービカ』 ( L57)
エネルギーアブソーバー付ランヤードの長さを伸ばして使用し
ないで下さい。 ( 両端にそれぞれコネクターを1個付けた長さが
限度です) .
上記以外のアブソーバー、ランヤードは使用しないで下さい。
- アブソーバーをハーネスに取り付ける場合は、 使用するコネクタ
ーがハーネスのフォールアレストアタッチメントポイントの形状や
大きさに適していることを確認して下さい。
『アサップ』 と併用する器具 (アンカー、 ロッキングカラビナ、 アブ
ソーバー等) は全てヨーロッパ基準に適合していなければなりま
せん。
製品の適合性に関して疑問点があれば (株) アルテリア (TEL : 04-
2969-1717) にご相談下さい。
図1. セッ ト
1A. ロープのセッ ト
- 親指でアームを押し、 ジャミングローラーを下に引いて下さい
- 本体に記された矢印(UP)の向きにあわせてロープをセッ トし、 ジャ
ミングローラーを放して下さい このとき矢印(UP)は吊元の方を向
いていなければなりません。
『アサップ』 には使用できる向きがあり、1方向の動きに対して
のみロック機能が働きます。 警告、死の危険 : 上下逆向きにセッ
トすることは絶対にしないで下さい。
1B. 『アサップ』 をハーネスまたはエネルギーアブソーバー付ラ
ンヤードに取り付ける場合
必ずロッキングカラビナ 『オーケー トライアクトロック』 を使用して
下さい。 カラビナは常にゲートを閉じ、 ロックされた状態で使用し
なければなりません。 ゲートが開いた状態では、 カラビナの強度
は大幅に低下します。 カラビナの強度は、ゲートが閉じられ、 縦軸
方向に正しく荷重がかかったときに最大になります。 縦軸以外の
方向に荷重がかかった場合は強度が低くなります。 また、 カラビナ
は、 必ず動きを妨げるものがない状態で使用して下さい。 カラビ
ナの動きが妨げられたり、 外部からの圧力がかかったりすると強度
は低下します。
1C. 警告、 死の危険 : カラビナは、 2つのアタッチメントホール
を通してクリップして下さい。 図1Bのようにロープがカラビナの
内側を通ってセッ トされていることを必ず確認して下さい。
1D. フォールアレスとシステムは、 必ずハーネスのフォールアレ
ストアタッチメントポイントに連結して下さい。
図2. 作動点検
毎回、 使用前に、 ロープが正しく取り付けられていること、 器具が正
しく作動することを確認してください。 確認作業は必ずセルフビレ
イをとった状態で行って下さい。
『アサップ』 がロープ上を上下にスムーズに動く ことを確認して下
さい。 正しくセッ トされていると、 スムーズに動きます。 下方に動か
すと、 ジャミングローラーがスムーズに回転します。
墜落した場合に動く方向に強く引き、 ロック機能が作動するかテス
トして下さい。
テストをした後はロックを解除して下さい。
図3. ロックの解除
『アサップ』 にかかっている荷重を抜き、ジャミングローラーをロ
ープに押し付けた状態で、 "カチッ"と音がするまで上に動かして
下さい。
図4. 取り外し
ロープから取り外すときは図のようにして外すか、 取り付けの手順
を逆に行って下さい。
衝撃吸収機能付ランヤード
ユーザーとロープの間に距離を確保し、 さらに動きやすくするため
には、 ペツルのエネルギーアブソーバー付ランヤード (上記リスト
参照) を使用して 『アサップ』 をハーネスに取り付けて下さい。
警告: 長いエネルギーアブソーバー付ランヤードを使用すると、 そ
の分、 墜落距離が長くなります。
図5. クリアランス = アサップと地面または障害
物の間の空間
墜落した場合に途中で障害物にあたることを回避するため、 ユーザ
ーの下には必ず十分なクリアランスを確保して下さい。
クリアランス = L ( 『アサップ』 とハーネスの連結部の長さ) + 1mの
停止距離 ( 『アサップ』 がロックするまでの距離とエネルギーアブソ
ーバーが裂けたときの長さ) + 2.50 m (ユーザーの身長とシステム
全体の伸縮性)
図6. 注意点
- 『アサップ』 と吊元との間のロープは常にたるみがない状態でな
ければなりません。 ユーザーは常に吊元よりも低い位置で作業を
して下さい。
- 『アサップ』 はロープ上でスムーズに動く ことができなければなり
ません(ロープの結び目や傷んだ箇所、 またエネルギーアブソーバ
ー付ランヤードがロープに巻きつく こと等に注意して下さい)。 警
告 : 障害物によって器具の動きが妨げられないようにして下さい。
小石、泥、木の枝、コード、衣服、塗料等の障害物によって、 『 アサッ
プ』 の機能が妨げられることがないようにして下さい。
- 作業環境によっては、 器具の落下を防ぐため、 全ての装備をコー
ドなどを使って確保することが必要になります。 『アサップ』 を誤っ
て落とさないようにするためには、 コード取り付け用ホール (7) を
使って、 『 アサップ』 と 『オーケー トライアクト』 をコードで結びつけて
下さい。 方法についてはウェブサイト (www.alteria.co.jp) を参照下
さい。 警告、死の危険 : コードを誤った方法で取り付けると、 『 アサッ
プ』 の機能の妨げとなり、ロックしない場合があります (例 : コードが
ジャミングローラーに絡まる) 。
- 塗料やセメント等が 『アサップ』 に付着しないようにして下さい 警
告、 死の危険 : ジャミングローラーが詰まり、 正常に機能しなくなる
恐れがあります。
- ロープの末端にストッパーノッ トを結ぶことを忘れないで下さい
- ロープにおもり (1 kg) を付けたり、 『 アサップ』 の下方でロープを
支点に結び付けることにより、 操作することなく 『アサップ』 がロープ
上を上方にスライドするようにできます
- 墜落の危険性、 及び墜落の際の落下距離は、 最小限に抑える必
要があります
- とがった角やざらざらした壁面など、 ロープを傷つける可能性の
あるものとロープが接触しないよう注意して下さい
メンテナンス、クリーニング
『アサップ』 :
ブラシを使い中性洗剤で 『アサップ』 をクリーニングして下さい。 水
で流し、 よく乾かして下さい。 この方法で不十分な場合は、ペイント
ブラシのクリーニングに使用する溶剤でクリーニングして下さい。
ただし、 『 アサップ』 を溶剤に浸したり、沈めたり しないで下さい。
ダメージや故障の原因になる可能性があります。
『オーケー トライアク トロック』 :
『アサップ』 とクリーニング方法は同じです。 必要に応じてヒンジ、
スプリング、 ロッキングスリーブにシリコンオイルを注して下さい。
ロープ :
ロープは、合成繊維のブラシを使い、きれいな低温の水道水で洗
って下さい。 洗剤を使う場合は、 中性洗剤もしくはロープ専用の洗
剤を使用して下さい。 ロープ製造メーカーの取扱説明書に従って
ください。
関連するヨーロッパ基準について
EN 12841 : 2006
『アサップ』 はEN12841 2006に適合したロープアジャストメントデ
バイスです。 作業ロープに問題が生じた際に墜落を止める働きをし
ます (図5. クリアランスを参照して下さい) 。
バックアップ用ロープを、 ワークポジショニングのために使用しな
いで下さい。
- 衝撃荷重によってロープはダメージを受けます
最大許容荷重 : 100 kg
EN 365
EN 365基準の要求事項 : 適合性、 トレーサビリティ
レスキュープラン
ユーザーは、 この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対
処できるよう、 レスキュープランとそれに必要となる装備をあらかじ
め用意しておく必要があります。 適切なレスキュー技術を身につけ
ておく必要があります。
支点 : 高所作業
システム用の支点はユーザーの体より上にとるようにしてください。
支点は、 最低でも10 kNの破断強度を持ち、 EN 795 基準を満たして
いなければなりません。
その他
- 警告 : 複数の器具を同時に使用する場合、 1つの器具の安全性
が、 別の器具の使用によって損なわれることがあります。
- ユーザーは、 高所での活動が行える良好な健康状態にあることが
必要です。 警告 : 動きの取れない状態のまま吊り下げられると、 ハ
ーネスを着用していても重度の傷害や死に至る危険性があります。
- この製品を使用する作業方法が、 地域の行政機関が定める規則や
基準に適合していることを確認して下さい
- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、 理解して下さい
- 取扱説明書は、 製品と一緒にユーザーの手に届かなければなりま
せん。 この製品を販売する場合、 販売者はその国の言語に訳され
た取扱説明書を添付しなければなりません。
一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、 製造日から
数えて最長10年です。 金属製品には特に設けていません。
注意 : 極めて異例な状況においては、 1回の使用で損傷が生じ、 その
後使用不可能になる場合があります (劣悪な使用環境、 鋭利な角と
の接触、 極端な高/低温下での使用や保管、 化学薬品との接触等)
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないで下さい :
- プラスチック製品または繊維製品で、 製造日から10年以上経過
した
- 大きな墜落を止めた場合や、 非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、 新しい技術の発達、 また新しい製品
との併用に適さない等の理由で、 使用には適さないと判断された
使用しなくなった製品は、 以後使用されることを避けるため廃
棄して下さい。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、 定期的にPPEに関する十分な知識を
持つ人物による綿密な点検を行う必要があります。 綿密な点検を行
う頻度は、 使用の頻度と程度、 目的により異なります。 また、 法令によ
る規定がある場合はそれに従わなければなりません。 ペツルは、 少
なく とも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお勧めします。
トレーサビリティ (追跡可能性) を維持するため、 製品に付いている
タグを切り取ったり、 マーキングを消したりしないで下さい。
点検記録に含める内容 : 用具の種類、 モデル、 製造者または販売元
の名前と連絡先、 製造番号、 認識番号、 製造日、 購入日、 初めて使用
した時の日付、 次回点検予定日、 注意点、 コメント、 点検者及びユー
ザーの名前と署名。
点検記録の見本はwww.petzl.fr/ppeまたはPetzl PPE CD-ROMで
ご覧いただけます。
持ち運びと保管
紫外線、 化学薬品、 高/低温等を避け、 湿気の少ない場所で保管して
下さい。 必要に応じて洗浄し、 直射日光を避けて乾燥させて下さい。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます (パーツ交
換は除く) 。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。
以下の場合は保証の対象外とします : 通常の磨耗や傷、 酸化、 改造
や改変、 不適切な保管方法、 メンテナンスの不足、 事故または過失
による損傷、 不適切または誤った使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、 製
品の使用から生じた直接的、 間接的、 偶発的結果またはその他のい
かなる損害に対し、 一切の責任を負いかねます。