5 一般操作
同様に、センサーは付近の暖かい物体により暖められることがあります。例えば、
部屋の空気よりわずかに暖かい壁、あるいはそのセンサーの間近に置かれた別のセン
サーなどです。最良の結果を得るために、空気と異なる温度を有する物体とセンサー
との間に適切な距離を取ってください。
その他考慮すべき点は、センサーの自己発熱に関するものです。センサーには、わず
かですが熱を発する電子回路が内蔵されているので、センサーは当然、周囲温度より
わずかに温かくなります。センサーの校正は、この自己発熱を考慮して、これを補償
します。しかし、自然の自己発熱に影響を与える要因によって測定にエラーが生じる
ことがあります。
自己発熱は、センサー周辺の空気の速度にも若干左右されます。センサーの校正は、
ほとんど静止した空気中で行われます。空気速度が異なる場合は、センサーの測定温度
に差が生じることがあります。その大きさは 0 から 10 cm/s の速度範囲においては、
±0.06°C 程度です。速度が大きい場合は、より大きな差を発生し小さい場合に測定し
た温度より、0.15°C ほど低くなります。従って、空気の流れが極力ない場所にセン
サーを設置することを推奨します。
センサーの自己発熱は、同様に、空気からセンサーを隔離する近傍の物体によって
変化することがあります。センサー周辺に適切な空間をとってください。
センサーの自己発熱は、温湿度計の電源が入った後、あるいはセンサーが取り付けら
れた後、安定するまでに数分を要します。最良の結果を得るために、電源を入れた後
は、センサーが安定するまで 15 分お待ちください。
センサーを、寒い、あるいは湿気の多い場所から温かい、あるいは乾燥した場所へと
移動させたときなど、センサーが温度あるいは湿度の急激な変化に反応するまで、
多少の時間を必要とします。条件が変化した後、センサーが完全な確度に達するまでに、
その変化の度合いに応じて、数分から 1 時間以上の時間を必要とすることがあります。
最後に、センサー内部に結露が生じると、誤った測定あるいは無効な測定の原因とな
ります。センサーを温かく湿度の高い環境から、低温の環境へ移動させると、結露す
ることがあります。センサーをまず同じ温度であるが湿度の低い環境に約 30 分置い
てから、より低い温度の場所へと移動させることで結露を防ぐことができます。結露
が生じた場合でも、乾燥すれば、センサーは正常に動作するようになります。これに
は数時間を要することがあります。
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