JP
本書では、 製品の正しい使用方法を説明しています。 技術や使用
方法については、 いくつかの例のみを掲載しています。
製品の使用に関連する危険については、 警告のマークが付いて
います。 ただし、 製品の使用に関連する危険の全てをここに網羅
することはできません。 最新の情報や、 その他の補足情報等は
Petzl.com で参照できますので、 定期的に確認してください。
警告及び注意事項に留意し、 製品を正しく使用する事は、 ユー
ザーの責任です。 本製品の誤使用は危険を増加させます。 疑問
点や不明な点は(株)アルテリア (TEL 04-2968-3733) にご相談く
ださい。
用途
ホーリングシステム。
JAG SYSTEM : カラビナ Am'D TRIACT-LOCK (EN 362:2004/B
(base) 適合) を使用して予めセッ トされたホーリングシステムで
す。
JAG TRAXION : この製品は個人保護用具 (PPE) です。 ダブルセル
フジャミングプーリー (EN 567 適合) です。
JAG : この製品は個人保護用具 (PPE) です。 ダブルプーリー (EN
12278 適合) です。
本製品の限界を超えるような使用をしないでください。 また、 本来
の用途以外での使用はしないでください。
責任
警告
この製品を使用する活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、 判断、 及び安全の確保について
その責任を負う こ とと します。
使用する前に必ず :
- 取扱説明書をよく読み、 理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- この製品を使用する活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、 重度の傷害や死
につながる場合があります。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、 あるいは
それらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使
用してください。
ユーザー各自が自身の行為、 判断、 及び安全の確保について責
任を負い、 またそれによって生じる結果についても責任を負うこ
ととします。 各自で責任がとれない場合や、 その立場にない場合、
また取扱説明の内容を理解できない場合は、 この製品を使用し
ないでください。
適合性
この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認
してください (併用できる = 相互の機能を妨げない) 。
JAG TRAXION、 JAG 及び JAG SYSTEM と併用する器具は、 使用す
る国における最新の規格に適合していなければなりません (例 :
ヨーロッパにおけるコネクターの規格 EN 362)。
単体で販売されているプーリーを組み合わせてホーリングキッ
トを作成する場合は、 必ず直径 8 ~ 11 mm のカーンマントル構
造 (芯+外皮) のロープ (EN 892 適合のダイナミックロープ、 EN
1891 適合のセミスタティックロープ、 スタティックロープ) を使用
してください。
機能の原理
JAG TRAXION は、 ロープが器具の中で一方向には動き、 反対方
向には動かないようにすることが可能です。 カムの歯がロープを
噛み、 ロープを滑車との間で挟むことによってロックします。
点検のポイン ト
器具の状態は、 ユーザーの安全に大きく関係します。
ペツルは、 十分な知識を持つ適任者による詳細点検を、 少なく と
も12ヶ月ごとに行うことをお勧めします (国や地域における法規
や、 使用状態によっても変わります) 。 Petzl.com/ppe で説明され
ている方法に従って点検してください。 点検の結果を記録してく
ださい。 点検記録に含める内容 : 種類、 モデル、 製造者の連絡先、
個別番号、 製造日、 購入日、 初回使用時の日付、 次回点検予定日、
問題点、 コメント、 点検者の名前と署名。
毎回、 使用前に
サイドプレート及びアタッチメントホールに傷、 変形、 亀裂、 磨耗、
腐食がないことを確認してください。 スプリングの状態に問題が
なく 、 正しく機能することを確認してください。 可動サイドプレート
にゆがみが無いことを確認してください。
カムの動きとスプリングの状態に問題がないことを確認してく
ださい。 警告 : カムの歯が欠けているまたは磨耗している JAG
TRAXION は使用しないでください。 器具の中に異物が入ってい
ないことを確認してください。
ロープ全体を通して、 外皮の状態を目視点検してください。 切れ目
や熱による損傷、 繊維のほつれ、 毛羽立ち、 化学薬品との接触によ
る損傷等がないことを確認してください。 ロープ全体を手に通し、
芯の状態を点検をしてください (図参照) 。 触診をすることにより、
芯にダメージを受けている箇所 (かたい箇所や柔らかい箇所等)
を見つけることができます。 縫製処理済みの末端 : 使用による、 ま
たは熱や化学薬品との接触等による切れ目や摩耗、 損傷がないこ
とを確認してください。 縫製部分が切れたり損傷を受けたり して
いないことを特に注意して確認してください。
コネクター : フレーム及びリベッ ト、 ゲート、 ロッキングスリーブ
に亀裂や変形、 腐食等がないことを確認してください。 ゲートが
開く こと、 自動的にゲートが閉まり確実にロックされることを確認
してください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具 (連結している場合は連結部を含む)
に常に注意を払い、 状態を確認してください。 システムの各構成
器具が正しくセッ トされていることを確認してください。
異物 (泥、 雪、 氷、 岩の破片等) によってカムの動きが妨げられない
ように注意してください。
警告 : ロープの状態 (磨耗、 水分、 氷結等) によってロックの効き具
合は変わります。
コネクターの縦軸に沿って荷重がかかっていることを確認してく
ださい。 ロッキングスリーブに注意をはらい、 常にロックされてい
ることを確認してください。 何かに押し付けられたりこすれたりす
ることによって、 ゲートが開いたりロッキングスリーブが損傷した
TECHNICAL NOTICE JAG TRAXION / JAG / JAG SYSTEM
り しないように注意してください。
プーリー間のロープにからまりがないことを確認してください。
1.強度
最大使用荷重 : 6 kN
破断強度 : 16 kN
セルフジャミングプーリーとしての破断荷重 : 4 kN
効率
各滑車の効率 : 91 %
2.各部の名称
(1) サイドプレート (中央)、 (2) ボタン、 (3) カム、 (4) 滑車、 (5) 軸、 (6)
可動サイドプレート (前面)、 (7) 可動サイドプレート (後面)、 (8) ア
タッチメントホール、 (9) ロワーアタッチメントホール、 (10) 付属ロ
ープ、 (11) カバー
主な素材 : アルミニウム合金、 ステンレススチール、 ナイロン
3.ホーリングキッ トのセッ ト
器具の内側の刻印を見てロープの向きを決めます。
機能の確認
器具をロープにセッ トしたら必ず、 荷重がかかる方向にロープを
引いて JAG TRAXION がロープをロックすることを確認してくだ
さい。 システム全体が、 一方向にはロックして荷重を支え、 反対
方向にはロープが流れて引き上げが可能であることを確認して
ください。
4.ポジシ ョ ン
システムは、 ロープに荷重がかかった時に正しい位置及び向きに
なるようにセッ トしてください。 エッジに器具が押し付けられない
ようにしてください。
全てのサイドプレートがコネクターに正しく クリップされているこ
とを確認してください。 ひとつでもクリップされていないと器具の
強度は低下します。
コネクター :
コネクターは破断する可能性があります。
コネクターは、ゲートが閉じ、 縦軸方向に正しく荷重がかかったと
きに最大の強度があります。 それ以外の状態や方法 (例 : 横軸方
向に荷重がかかる、 ゲートが開いた状態で荷重がかかる) で荷重
がかかると危険です。 強度が低下する可能性があります。
5.使用について
JAG SYSTEM は、 救助が必要な人 (1人) や物を引き上げて解放
するために使用します。
セルフジャミング機能の解除
警告 : セルフジャミング機能を解除すると、 引き上げている人や
物を落下させる危険があります。 セルフジャミング機能を解除す
るには、 カムを上げてボタンを押します。 ボタンを放すとカムが解
除された状態で固定されます。 セルフジャミング機能を有効にす
るには、 もう一度ボタンを押します。
6.補足情報
- ユーザーは、 この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに
対処できるよう、 レスキュープランとそれに必要となる装備をあら
かじめ用意しておく必要があります
- システム用のアンカーは、 ユーザーの体より上にとるようにして
ください。 アンカーは、 最低でも 12 kN の強度を持ち、 EN 795 の
要求事項を満たしていなければなりません
- フォールアレストシステムでは、 墜落した際に地面や障害物に衝
突することがないよう、 毎回使用前に十分なクリアランスがユー
ザーの下に確保されていることを確認する必要があります
- フォールアレストシステムでは、 コネクターの長さも墜落距離に
影響します
- 墜落距離を短く し、 危険を少なくするため、 アンカーが適切な位
置に設置されていることを確認してください
- フォールアレストシステムで身体のサポートに使用できるのは、
フォールアレストハーネスのみです
- 複数の器具を同時に使用する場合、 1つの器具の安全性が、 別
の器具の使用によって損なわれることがあります
- 警告、 危険 : 製品がざらざらした箇所や尖った箇所でこすれない
ように注意してください
- ユーザーは、 高所での活動が行える良好な健康状態にあること
が必要です。 警告 : ハーネスを着用して動きの取れない状態のま
ま吊り下げられると、 重度の傷害や死に至る危険性があります
- 併用するすべての用具の取扱説明書をよく読み、 理解してくだ
さい
- 取扱説明書は、 製品と一緒にユーザーの手に届かなければなり
ません。 また、 取扱説明書は製品が使用される国の言語に訳され
ていなければなりません
- 製品に記されたマーキングが読めなくならないように注意して
ください
廃棄基準 :
警告 : 極めて異例な状況においては、 1回の使用で損傷が生じ、
その後使用不可能になる場合があります (劣悪な使用環境、 海に
近い環境での使用、 鋭利な角との接触、 極端な高/低温下での使
用や保管、 化学薬品との接触等) 。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください :
- 大きな墜落を止めた、 あるいは非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された製品の状態に疑問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、 新しい技術の発達、 また新しい製
品との併用に適さない等の理由で、 使用には適さないと判断さ
れた
このような製品は、 以後使用されることを避けるため廃棄してく
ださい。
アイコン :
A. 耐用年数 - B. マーキング - C. 使用温度 - D. 使用上の注意 - E.
ク リーニング / 消毒 - F. 乾燥 - G. 保管 / 持ち運び - H. メンテナン
ス - I. 改造 / 修理 (パーツの交換を除き、 ペツルの施設外での製
品の改造および修理を禁じます) - J. 問い合わせ
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。
以下の場合は保証の対象外とします : 通常の磨耗や傷、 酸化、 改
造や改変、 不適切な保管方法、 メンテナンスの不足、 事故または
過失による損傷、 不適切または誤った使用方法による故障。
トレーサビリティ とマーキング
a.この個人保護用具の製造を監査する公認機関 - b.CE 適合評価
試験公認機関 - c. ト レーサビリティ: データマトリクスコード - d.直
径 - e.個別番号 - f.製造年 - g.製造月 - h.ロッ ト番号 - i.個体識別
番号 - j.規格 - k.取扱説明書をよく読んでください - l.モデル名 -
m.ロープのセッ ト方向
P0001400A (230616)
15