JP
本書では、 製品の正しい使用方法を説明しています。 技術や使用方法
については、 いくつかの例のみを掲載しています。 製品の使用に関連
する危険については、 警告のマークが付いています。 ただし、 製品の使
用に関連する危険の全てをここに網羅することはできません。 最新の
情報や、 その他の補足情報等は Petzl.com で参照できますので、 定期
的に確認してください。 警告及び注意事項に留意し、 製品を正しく使
用する事は、 ユーザーの責任です。 本製品の誤使用は危険を増加させ
ます。 疑問点や不明な点は(株)アルテリア (TEL 04-2968-3733) にご相
談ください。
1.用途
本製品は個人保護用具 (PPE) です。
ASAP LOCK : ロック機能付ロープ用モバイルフォールアレスター
EN 12841 type A : バックアップロープ用モバイルフォールアレスター
です。 ロープアクセスシステムにおけるバックアップ器具で、 タイプ B の
登高器やタイプ C の下降器と合わせて使用します。
EN 353-2 : フレキシブルアンカーラインを含むモバイルフォールア
レスターです。 フォールアレストシステムにおいて使用する確保器具
です。
本製品の限界を超えるような使用をしないでください。 また、 本来の用
途以外での使用はしないでください。
責任
警告
この製品を使用する活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、 判断、 及び安全の確保についてその
責任を負うこ とと します。
使用する前に必ず :
- 取扱説明書をよく読み、 理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- この製品を使用する活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、 重度の傷害や死につ
ながる場合があります。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、 あるいはそ
れらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用して
ください。
ユーザー各自が自身の行為、 判断、 及び安全の確保について責任を負
い、 またそれによって生じる結果についても責任を負うこととします。 各
自で責任がとれない場合や、 その立場にない場合、 また取扱説明の内
容を理解できない場合は、 この製品を使用しないでください。
2.各部の名称
(1) フレーム (2) コネクションアーム (3) ネジ (4) 接続ピン (5) セーフ
ティキャッチ (6) アーム (7) アームの軸 (8) ジャミングローラー (9) ロ
ックボタン
主な素材 : アルミニウム合金 (フレーム、アーム) 、 ステンレススチール
(ジャミングローラー、 コネクションアーム) 、 ポリエステル、 ナイロン (
ロープ)
3.点検のポイン ト
器具の状態は、 ユーザーの安全に大きく関係します。
ペツルは、 十分な知識を持つ適任者による詳細点検を、 少なく とも12
ヶ月ごとに行うことをお勧めします (国や地域における法規や、 使用状
態によっても変わります) 。 www.petzl.com/ppe で説明されている方
法に従って点検してください。 点検の結果を記録してください。 点検記
録に含める内容 : 種類、 モデル、 製造者の連絡先、 個別番号、 製造日、
購入日、 初回使用時の日付、 次回点検予定日、 問題点、 コメント、 点検者
の名前と署名。
毎回、 使用前に
ASAP LOCK : アブソーバーがコネクションアームに正しく接続されてい
ること及びネジが適切に締められていることを確認してください。
フレーム及びジャミングローラー、 アーム、 コネクションアームに、 亀裂
や傷、 変形、 摩耗、 腐食がないことを確認してください。
セーフティキャッチの状態を確認し、 スプリングが正しく機能することを
確認してください。
アームが軸を中心にして動く こと及びスプリングが正しく機能すること
を確認してください。 ジャミングローラーが汚れていないこと及び歯が
すり減っていないことを確認してください。 警告 : 歯が1つでも欠けて
いる場合は、 ASAP を使用しないでください。
歯が汚れている場合は、 メンテナンスとクリーニングの項を確認してく
ださい。 ジャミングローラーを両方向に1回転させ、 スムーズに回転す
ることを確認してください。
ロープ : 製造元の取扱説明に従ってロープの状態を確認してくださ
い。 一度墜落を止めたロープは使用しないでください。 またロープの
芯が損傷している、 あるいは外皮に損傷やしみがあるロープは使用し
ないでください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具 (連結している場合は連結部を含む) に常
に注意を払い、 状態を確認してください。 システムの各構成器具が正し
くセッ トされていることを確認してください。
異物により、 ジャミングローラーとロープの接触やジャミングローラー
の回転が妨げられないように注意してください。 作業中は、 ASAP を液
体の飛散 (塗料、 セメント等) から保護してください。 ジャミングローラー
が常にロープに接触していることを確認してください。
4.適合性
この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認して
ください (併用できる = 相互の機能を妨げない) 。
ASAP LOCK と併用する器具は、 使用する国における最新の規格に適
合していなければなりません (例 : ヨーロッパにおけるハーネスの規
格 EN 361 等) 。
ハーネス :
ASAP に取り付けたエネルギーアブソーバーは、 ハーネスのフォールア
レストアタッチメントポイントに連結してください。
エネルギーアブソーバー付ランヤード :
ASAP LOCK は必ず併用可能なペツル製エネルギーアブソーバーと併
用してください。
- ASAP'SORBER
- ABSORBICA L57
エネルギーアブソーバーを延長して使用しないでください (両端にコネ
クター1個 (最長 12cm) を付けた長さが許容限度です) 。
ロープ (EN 12841 Type A 適合の使用) :
- ASAP LOCK には EN 1891 type A に適合した直径 10 ~ 13 mm のセ
ミスタティックロープを使用してください。
CE EN 12841 type A の認証試験で使用されたロープ :
- BEAL ANTIPODES 10 mm。
- GRIP 12.5 mm
ロープ (EN 353-2 適合の使用) :
ASAP LOCK には、 EN 353-2:2002 の認証試験で使用された以下のロー
プのみを使用してください :
- PARALLEL 10,5 mm。
- AXIS 11 mm
TECHNICAL NOTICE - B71 ASAP LOCK
5.機能の原理
適度な速度の場合、 ジャミングローラーは両方向に回転します。 速い速
度で下方向に動く と、 ジャミングローラーの回転が止まります。 ロープを
ジャミングローラーとフレームの間に挟んでロックします。
6.セッ ト方法と機能確認
準備 :
ASAP LOCK にはじめから付いているネジのみを使用してください。 ネ
ジを取り付ける前にネジロック剤を付けてください。
エネルギーアブソーバーをセッ トし、 コネクションアームを閉じてくだ
さい。 ネジを締め、 正しい位置に入っていること及びしっかりと締められ
ていることを確認してください。
ロープへのセッ ト : セーフティキャッチを開き、 ロープをフレーム内に
通します。 セーフティキャッチを閉じ、 ジャミングローラーをロープに
当てます。
警告 : ASAP には使用できる方向があり、1方向の動きに対してのみ
ロックします。 ASAP を上下逆向きにセッ トすると死につながる危険が
あります。
毎回セッ トする度に機能確認を行ってく ださい。
ロッ クの解除 : 機能確認をした後はロックを解除し、 ロープ上を移動す
るもとの状態にもどしてください。
ロッ ク機能 : ジャミングローラーに付いているロックボタンを使う
と、 ASAP LOCK がロープ上で下に動かないようにロックすることがで
きます。 警告 : ASAP LOCK が荷重された状態ではロックボタンを解除
することはできません。
7.ク リアランス
クリアランスとは、 墜落時に障害物と接触することを防ぐため、 ユーザ
ーの下に最低限確保されるべき空間のことを言います。
クリアランスの計算には以下の要素が含まれます :
- ASAP がロックするまでの距離
- エネルギーアブソーバーの伸長
- ユーザーの身長
- 安全マージン : 1 m
ロープの伸び (E) は、 状況によって変わります。 これもクリアランスの計
算に含まなければなりません。
詳しい情報は、 ウェブサイト (petzl.com) の ASAP product experience
で確認してください。
ここでは、 理論上の計算とおもりを使用した落下試験を基に算出した
数値を紹介しています。
フォールアレストシステムでは、 墜落距離に関係するコネクターの長さ
も考慮に入れてください。
8.使用上の注意
移動中は、 ASAP がロープ上をスムーズにスライドし、 ロープにたるみ
ができていないことを常に注意して確認してください。
動的に過度な荷重がかかると、 ロープが損傷する可能性がありま
す。 ASAP のセッ トされたロープに荷重がかかっている場合、 ユーザー
は別のバックアップロープを用意する必要があります。
9.メンテナンス、ク リーニング
ジャミングローラーの内部に液体が入らないようにしてください。
ジャミングローラーの歯を洗浄する際に、 溶剤を使用することはお勧め
しません。 溶剤を使用する場合は、 ブラシを使い、 内部に溶剤が入らな
いように注意してください。
10.補足情報
- ユーザーは、 この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対処
できるよう、 レスキュープランとそれに必要となる装備をあらかじめ用
意しておく必要があります。
- システム用のアンカーは、 ユーザーの体より上にとるようにしてくださ
い。 アンカーは、 最低でも 12 kN の強度を持ち、 EN 795 の要求事項を
満たしていなければなりません。
- フォールアレストシステムでは、 墜落した際に地面や障害物に衝突す
ることがないよう、 毎回使用前に十分なクリアランスがユーザーの下に
確保されていることを確認する必要があります。
- 墜落距離を短く し、 危険を少なくするため、 アンカーが適切な位置に
設置されていることを確認してください。
- フォールアレストシステムで身体のサポートに使用できるのは、 フォー
ルアレストハーネスのみです。
- 複数の器具を同時に使用する場合、 1つの器具の安全性が、 別の器
具の使用によって損なわれることがあります。
- 警告、 危険 : 製品がざらざらした箇所や尖った箇所でこすれないよう
に注意してください。
- ユーザーは、 高所での活動が行える良好な健康状態にあることが必
要です。 警告 : ハーネスを着用して動きの取れない状態のまま吊り下げ
られると、 重度の傷害や死に至る危険性があります。
- 併用するすべての用具の取扱説明書をよく読み、 理解してください。
- 取扱説明書は、 製品と一緒にユーザーの手に届かなければなりませ
ん。 また、 取扱説明書は製品が使用される国の言語に訳されていなけ
ればなりません。
- 製品に記されたマーキングが読めなくならないように注意してくだ
さい。
廃棄基準 :
警告 : 極めて異例な状況においては、 1回の使用で損傷が生じ、 その
後使用不可能になる場合があります (劣悪な使用環境、 海に近い環境
での使用、 鋭利な角との接触、 極端な高/低温下での使用や保管、 化学
薬品との接触等) 。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください :
- 大きな墜落を止めた、 あるいは非常に大きな荷重がかかった。
- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある。
- 完全な使用履歴が分からない。
- 該当する規格や法律の変更、 新しい技術の発達、 また新しい製品との
併用に適さない等の理由で、 使用には適さないと判断された。
このような製品は、 以後使用されることを避けるため廃棄してくださ
い。
アイコン : A. 耐用年数 (特に設けていません) - B. 使用温度 - C. 使用上
の注意 - D. ク リーニング / 消毒 - E. 乾燥 - F. 保管 / 持ち運び - G. メンテ
ナンス - H. 改造 / 修理 (パーツの交換を除き、 ペツルの施設外での製
品の改造および修理を禁じます) - I. 問い合わせ
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。 以下
の場合は保証の対象外とします : 通常の磨耗や傷、 酸化、 改造や改変、
不適切な保管方法、 メンテナンスの不足、 事故または過失による損傷、
不適切または誤った使用方法による故障。
ト レーサビリテ ィ とマーキング
a. この個人保護用具の製造を監査する公認機関 - b. CE適合評価試
験公認機関 - c. トレーサビリティ : データマトリクスコード = 製品番
号 + 個別番号 - d. 使用できるロープ - e. 個別番号 - f. 製造年 - g. 製造
日 - h. 検査担当 - i. 識別番号 - j.規格 - k.取扱説明書をよく読んでくださ
い - l.モデル名 - m. 最大使用荷重
B715020D (280514)
12