KingKORG NEO 取扱説明書
キャリア(CARRIER)
基本となる音色(信号)です。倍音を多く含んだノコギリ波やパルス幅が一定の
パルス波形などがキャリア波形として適しています。キャリアにはティンバー
AとBの出力の2つのソースをミックスして使用します。
モジュレーター(MODULATOR)
変化を与える音色(信号)です。一般的にモジュレーター側には声を入力しま
す。本機では、モジュレーターとしてマイク入力(Input)、またはティンバー
B(TimbreB)を選択できます。ティンバーBを選んだときは、ティンバーB
の出力がボコーダーのモジュレーターに入力されます。
ボコーダー・セクション(VOCODER)
16個のバンドパス・フィルターが2組(Analysis .Filter、Synthesis .Filter、
Envelope .Follower)で構成されています。モジュレーター側に入力された音
声信号を16個のフィルター(アナリシス・フィルター)へ入力し、エンベロー
プ・フォロワーによって周波数ごとに音量のエンベロープ(時間的変化)を検
出します。
キャリア側の信号をもう一方の16個のフィルター(シンセシス・フィルター)
へ入力した後、モジュレーター側で検出したエンベロープで各バンドの音量を
コントロールすることによって、キャリア側の信号がモジュレーター側の音声
の特徴で変調され、しゃべっているような効果(ボコーダー効果)などを得る
ことができます。また、キャリア側バンドパス・フィルターの各周波数をシフ
トすることが可能です。これはモジュレーター側の特徴を保ったまま周波数特
性を上下させることになり、音色の大きな変化を得ることができます。
プログラムの基本的なエディット
方法
1 .
音作りの方法
本機での音作りの方法として、次の2つが挙げられます。
• . 作りたいサウンドに近いプログラムを選び、そのプログラムを元にして、必
要な部分を変更し、目的のサウンドを作り上げる方法
• . プログラムを初期状態から作り上げる方法
いずれかの方法を選んで、いろいろな音色を作り、演奏してみましょう。
保存してあるプログラムからエディットする
1.
音作りをするための元となるプログラムを選びます (OM : p . 1 02 . 「 プログラ
ムを選ぶ」 ) 。
2.
フロント・ パネルのノブやダイヤルを操作します。
元になるプログラムと、自分のイメージしている音のどこが異なるかを考
えて、エディットするパラメーターを選びます。
.
保存しないで他のプログラムを選択したり、電源を切ったりするとエ
ディットした内容は消えてしまいます。
.
(OM:p .109 . 「 2 . .プログラムを保存する」)
プログラムを初期状態から作る
初期状態からプログラムを作る場合は、プログラムの初期化を実行します
(OM:p .108 . 「 1 . .プログラムの初期化」)。
わかりやすいシンプルな設定状態になるため、各部の働きを確認したり、1か
ら音作りをするのに便利です。
2 .
2つのティンバーをエディットする
1つのプログラムでは、TIMBRE .AとTIMBRE .Bの2つのティンバーを使用する
ことができます。
TIP:
PROGRAM 「p03:Common」 ページのボイス ・ モード設定が "Single" の
ときは、 TIMBRE .Bを選択できません。 "Layer" 、 "Split" を設定している
ときは、 エディ ッ ト中のTIMBRE .A、 Bボタンが点灯します。
PROGRAM 「p03:Common」 ページのボイス ・ モード設定は、 プログラム
TIP:
全体に関するパラメーターです。
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2つのティンバーを使用する(レイヤー)
2つのティンバーを使用するとき、役割に応じて2つのモードが選択できます
が、ここではPROGRAM 「p03:Common」 ページのボイス ・ モード設定を
"Layer"にします。
"Layer"に設定して鍵盤を弾くと、2つのティンバーが同時に発音します。
1.
PAGE+/-ボタンでPROGRAM 「p03:Common」 ページを表示します。
2.
VALUEダイヤルを回して、 ボイス ・モード設定を "Layer" にします。
TIMBRE .Aボタンと、マスター・エフェクトのそれぞれのティンバーLED
が点灯します。
エディットするティンバーを選ぶ
2つのティンバーを使用しているプログラムをエディットするには、エディッ
トするティンバーを選びます。
TIMBRE .A、Bボタンでエディット対象のティンバーを選びます。選択したボ
タンが点灯し、そのティンバーをエディットできます。
FILTERとEGを調節する
本機は、フロント・パネルのノブとボタンを操作して、FILTERとEGをリアル
タイムに変化させることができます。
ノブを操作したときの動作は、3種類の中から選択することができます。(PG: .
「6 . .GLOBALパラメーター」)
FILTER
カットオフ(CUTOFF)
フィルターのカットオフ周波数を調節します。音色の明るさが変化しま
す。ノブを左に回すと音色が暗くなり、右に回すと明るくなります。
レゾナンス(RESONANCE)
フィルターのレゾナンス値を調節します。音色に独特のクセがつきます。
EG(Envelope .Generator)
アタック(ATTACK1、ATTACK2)
EG1(フィルターEG)とEG2(アンプEG)のアタック・タイムを調節し
ます。ノート・オン(鍵盤を押す)からアタック・レベルに到達するまで
の時間を設定します。EG1とEG2の音の立ち上がりが変化します。ノブを
左に回すとアタック・タイムが短くなり、右に回すと長くなります。
ディケイ(DECAY1、DECAY2)
EG1(フィルターEG)とEG2(アンプEG)のディケイ・タイムを調節し
ます。アタック・レベルに達した後、サスティン・レベルに到達するまで
の時間を設定します。ノブを左に回すとディケイ・タイムが短くなり、右
に回すと長くなります。
サスティン(SUSTAIN1、SUSTAIN2)
EG1(フィルターEG)とEG2(アンプEG)のサスティン・レベルを調節
します。ディケイ・タイムを経て、鍵盤を押している間に保持されるサス
ティン・レベルを設定します。ノブを左に回すとサスティン・レベルが低
くなり、右に回すと高くなります。
リリース(RELEASE1、RELEASE2)
EG1(フィルターEG)とEG2(アンプEG)のリリース・タイムを調節し
ます。ノート・オフ(鍵盤を離す)から音が消えるまでの時間を設定しま
す。EG1とEG2のリリース・タイムが変化します。ノブを左に回すとリ
リース・タイムが短くなり、右に回すと長くなります。