ヒールの機能と調整
ヒールは踵接地後エネルギーを蓄積し、立脚中期にそのエネルギー
をゆっく りと放出します。 この動作が生み出す前方への推進力により、
つま先に荷重がかかり、 立脚終期に最適なエネルギ一放出が得られま
す。このようなヒールからつま先への動作は、 以下の影響を受けます。
・ 足部の前後位置
・ 背屈及び底屈
・ ヒールの硬度
ヒールが軟らか過ぎる場合
症状
・ 足部がフッ トフラッ トポジションへ移るのが早すぎる(装着者は穴
に沈むような感じを受ける)。
・ つま先を乗り越えるための余計なエネルギーを必要とする。
・ つま先が硬すぎるように感じる。
・ 膝が過伸展する。
対処法
・ ポリウレタン製ヒールウェッジを足します。
・ ソケッ トを前方へ(足部を後方へ)シフトします。
ヒールが硬すぎる場合
症状
・ ヒールからつま先への動きが急である。
・ 装着者が義足をコントロールできない。
・ エネルギー返還が最小であるため、つま先が硬すぎるように感じ
る。
・ 膝が不安定である。
対処法
・ ヒールウェッジを小さいものに代えます。
・ ソケッ トを後方へ(足部を前方へ)シフトします。
ヒールウ ェツジCM150011(図 E)
ウェッジは、ヒールからつま先への作用に影響を与えます。ヒールウェ
ッジを加え、 足部のレスポンスを高めるためにヒールの抵抗を変更し
始めます。カスタマイズし、求められる機能特性を得るために2° 、4° 、 6°
の3種類のウェッジを入れ替えることができます。またウェッジを組み合
わせて使用することもできます。
(1)2° 一黄色
(2)4° 一赤色
(3)6° 一青色
Ⅰ一時的にウ ェ ッジを取り付ける場合
・ ウェッジをフッ トモジュールの幅に合わせてカッ トします。
・ ウェッジ表面の上部と下部を紙やすりで粗します。
・ ヒールとフッ トモジュールの間にウェッジを配置します。
・ その位置で抑え、 フッ トモジュールの周りにテープを巻いて、 ウェッ
ジを上面に固定します。
Ⅱ恒久的にウ ェ ッジを取り付ける場合
・ ウェッジの上部のみに接着剤を塗布します。
・ 接着剤が固まる前に、ヒールをフッ トモジュールの連接部に取り付
け、位置を確定します。
・ スプリッ ト トウの場合は、ヒールウェッジを取り付けてから、鋭利な
ナイフをフッ トモジュールのスプリッ ト部に通してウェッジをカッ ト
し、切端を取り除いておきます。
ラミネーシ ョン ・ テクニッ ク
・ ダイナミックアライメント後にアライメント位置に印を付け、ソケッ
トからフッ トモジュールを外します。
注意:アライメントウェッジが真直ぐな場合は、 クリアランスと作業
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