3. バイクに乗る前にまず、シートポストがしっかり固定されていることを確認
しましょう。
シートポストのカム作動機構を調整する
カム作動により、シートポスト周囲のシートカラーを圧迫してシートポストを
所定位置でしっかりと保持します。締め付け力は、張力調整ナットにより調整され
ます。カムレバーを回転させずに張力調整ナットを右に回すと、締め付け力を上げ
ることができます。カムレバーを回転させずに張力調整ナットを左に回すと、締め
付け力を下げることができます。張力調整ナットは、半回転未満の違いだけでも締
め付け力の安全性に差が生じる可能性があります。
警告:シートポストをしっかりと固定するには、最大のカム作動が必要と
なります。片手でナットを支え、もう一方の手で(ウイングナットと同じ
ように)レバーを回すだけでは、できるだけ堅く締め付けたとしても、シ
ートポストを安全に固定できません。
警告:シートポストやフレームチューブに指先をかけて、てこの原理を利
用しなくてもカムレバーを完全に閉じることができるようであれば、張力
が不十分です。この場合、手のひらにはレバーの形がくっきりと残りませ
ん。レバーを開位置に戻し、張力調整ナットを4分の1ほど右回転させた
後、再度、レバーが十分な力で閉じるか確認してください。
バイクのブレーキは一般的に、リムブレーキ、ディスクブレーキ、内蔵型のハ
ブブレーキの3種類があります。リムブレーキとは、2つのブレーキシュー間で、
ホイールリムを押さえることで作動するブレーキです。ディスクブレーキとは、2
つのブレーキシュー間で、ハブに付けた円盤を押さえることで作動するブレーキで
す。これら3種類のブレーキは、ハンドルに付いているレバーで操作します。バイ
クの種類によっては、ペダルを逆回転させることにより内蔵型ハブブレーキを作動
させるものもあります。このタイプのブレーキは「コースターブレーキ」と呼ばれ
ています。コースターブレーキについては、付録Cに記載されています。
警告:
1. ブレーキが正しく調整されていない状態、ブレーキシューがすり減った
状態、ホイール上にリムのウェアインジケーター(磨耗サイン)が確認で
きる状態でバイクに乗ると危険です。重傷や死亡事故につながる場合があ
ります。
2. ブレーキを強くかけすぎたり急ブレーキをかけたりすると、ホイールが
突然ロックされ、コントロールを失って転倒するおそれがあります。フロ
ントブレーキを急激にかけたり、フロントブレーキのかけ方が強すぎたり
すると、身体がハンドルバーを越えて前方へ投げ出されるおそれがあり、
重傷や死亡事故につながる場合があります。
3. ディスクブレーキ(図11)やリニアプルブレーキ(図12)など、たいへ
ん強力なバイクブレーキもあります。こうしたブレーキについては十分に
理解しておき、実際に使用する際には細心の注意を払う必要があります。
C.ブレーキ
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